1990年、企業もCI、VIを確立し、自ら進む道を人々に知らしめるという動きが盛んになってきました。そんな時代に世代交代をされる、2社のリニューアルのデザインをさせていただきました。
両社に共通することは、先代から続く技術の上に築かれたお仕事をされているということです。そこには職人さんの変わらぬ力がありました。それまで社屋に関しては、あるがままに営業されて来ました。しかし、先を考えると、企業としてのビジョンを示し、それに合わせた社屋とする必要がでてきました。両社とも、既存の建物の利用できるところは残してリニューアルし、新しく増築などを加えて完成しました。
からふね屋さんは、2Fに商談室、そして道路側にショーウィンドウをもうけ、道行く人々に営業内容を知らしめるようにしました。また、福田白衣さんは、既存の蔵を改造し、ショールームとして商品を手に取り試着できるようにしました。
両社ともに、お客様に対しては、おもてなしの出来る空間を作り、また、今まで縁の下の力持ちで支えてくださった技術者に日の当たる場所に移ってもらい、新旧ともに手を取って、将来へ向かう、そんなパワーのみなぎるリニューアルであったと思います。
杉木源三