SPACE 創立25周年の軌跡(10) まんざら亭 団栗店

2012-04-02

1992年、まんざら亭木屋町店に続いて、木屋町団栗橋のたもとに「まんざら亭 団栗店」の新規OPENのデザインのご依頼をいただきました。

当初は名前を「和魂」として、それまでのまんざら亭のイメージよりもアッパーなグレード感の大人の店とする計画のもとにデザインを始めました。居酒屋というよりも、小料理店のイメージでゆったりとくつろげるよう、カウンターもテーブルも奥行きを大きくとりました。また、カウンターのハイチェアを避けるため、スキップフロアーとし、2段のフロアーでカウンターの中のスタッフの目線と、お客様の目線が同じくらいの高さになるよう調整しました。この頃から、素材の選択に意識が強くなってきたように思います。

和とは、全てのものの集合の意味であり、古いものも近代的なものも、素材、照明、色、味、音、気配、etc、全てが存在する空間を、どのようにバランスを合わせるか、日本的なもの、近代的なもの、自然素材、工業製品、全てのさじ加減で、和にも、洋にも振ることができる、そんなデザインの楽しさも味わうことができるようになった気がしてきた頃だったと思います。

杉木源三