1999年、広島に「ふっかん」というお店をデザインさせていただきました。
きっかけは、京都で和食の修行をされていた息子さんが、地元へ戻ってお父様といっしょに和食のお店をだすという時に、僕のデザインさせていただいたいくつかのお店を見て、お声をかけていただきました。最初は息子さんといっしょに広島へ、お父様の面接を受けに行きました。お話の中で意気投合し、お仕事をさせていただくことが決まりました。
京都仕込みの和食のお店ですが、数寄屋の緊張感ではなく、立地が広島の郊外であることから、材質を素朴なもので構成し、温かみのある空間としました。「ふっかん」という店名は、息子さんが小さい頃から友達に呼ばれていた愛称から名付けられました。親子でおもてなしをされているお店は、今も地元の人から愛されています。
杉木源三