以前のブログで、アートを身近なものにすることに関心があるとお話ししました。
アートといっても、有名アーティストの何百、何十万円のアートというものではなく、人の手が加わったものを意味しています。今までの仕事の中で、住宅や店舗に何度かアートを使ったことがあります。それはアーティストに参加してもらったものであったり、自分で探してきたものであったり、また、自分たちで造ったものもあります。
空間の中に既成の印刷物の絵やポスター、工業製品のディスプレイ雑貨を飾るのと、たとえば自分が工夫して作った、人の手が加わったものとでは、空間に漂う空気はおどろくほど変わります。その空間に合うようにつくられたものたちは、もっと強い気配を空間に与えるのです。
アートのひとつの活用法は、このように空間と共鳴し合って、様々な空気感を演出し、またそれを楽しむことだと思います。
ものを飾るというと、日本人は私にはそんなセンスもないし、などと、ついおっくうになりがちですが、何事もプラクティスです。なにもいきなり高い物を買わなくても、たとえば、お子様の小さい頃の絵などが残っていれば、それを当たり前の額に入れるのではなく、ベニヤ板にペンキを塗ったものに、カラフルな画鋲でとめてみるとか、工夫を加えれば、他にない、オンリーワンのアートになります。
まず、身近なことから始めてみませんか?
杉木源三