1989年、山科の新幹線の高架下にデザインさせていただいた、ヴィンテージカーのショールームです。
クライアントはアメリカに支社をもち、そちらで入手したヴィンテージカーを、このショールームで販売されていました。高架下ということ、上に新幹線が走っているということ、前面道路が国道だということ等々、建築をするまでにクリアしないといけない行政関係の問題が多く、手続きが大変だった記憶があります。
しかし、OPENしたころはバブルもいよいよ佳境に入るところで、展示してある車も○千万円で、買いに来られるお客様もスーツケースに札束を入れてきて「これで勘定してくれたまえ」という話が本当にあったとかなかったとか。日本はこれからどこへ向かうのかという時代でしたが、しばらくはデザインの仕事には苦労しないだろうという予感もする時代でした。
杉木源三
Graphic:竹内澄博